シャドウバースの環境の歴史をまとめてみた(スタン~ワンダーランドまで)

2017年9月28日に第6弾の拡張パックである「星神の伝説」がリリースされる。シャドウバースがリリースされてすでに1年3ヶ月経過したということになる。

そこでここでは、いままでの環境の歴史を振り返ってみたいと思う。ちなみに、筆者はサイゲームズの人間ではないので100%正確なデータではないことに留意されたい。

 

 

スタンダード期:冥府エルフとミッドレンジロイヤル

初期のころの注目カードは各クラスごとに下記であったように記憶している

エルフ:エンシェントエルフ、根源への回帰
ロイヤル:乙姫、セージコマンダー
ウィッチ:超越
ドラゴン:ファフニール、フォルテ
ネクロ:モルディカイ、ケルベロス、ファントムハウル
ビショップ:テミスの審判、鉄槌の僧侶
ヴァンパイア:黙示録、クイーンヴァンパイア

スタンダード期で猛威を振るったのは「冥府エルフ」と「ミッドレンジロイヤル」であると記憶している。

冥府エルフ:安定感抜群

冥府エルフはニュートラルカードである「冥府への道」と「新たなる運命」を使用して、8ターン目を目途に「冥府への道」を発動させるデッキである。エルフがこのカードを活用できる点としては「フェアリーウィスパラー」「フェアリーサークル」などの手札を増やせるカードがあり、さらには低コストを3枚以上プレイすることでターン終了時にカードを1枚引ける「収穫祭」が当時2コストでプレイできたことや、時間稼ぎの「根源への回帰」が当時5コストでプレイできたによる(今は収穫祭は4コストに、根源への回帰は7コストにナーフされている)。

7~8ターン目には「冥府への道」が発動するため、その前に倒し切りたいところだが、その序盤を支えるフォロワーとして存在したのが「ベビーエルフメイ」と「エンシェントエルフ」である。メイはランダムで1ダメージながらも盤面を維持することに役立つし、エンシェントエルフと同時にプレイすれば1ターンで2回ダメージを与えることも可能だ。そして強化されたエンシェントエルフは中型フォロワーとしても役立つ。当時確定除去が少なったため、大型になると手が付けられなかった。相手の先行3ターン目に4/5エンシェントが立ったらそれだけでリタイアしたほどだ。

エルフデッキが強かった理由としては「冥府への道」を中心として「エンシェントエルフ」以外にも今でも現役の「リノセウス」が勝ち筋として存在していたことも大きい。多用な勝ち筋によってその時に最適なフィニッシュ方法を選べる適用性の高さも大きな特徴と言えるだろう。

ミッドレンジロイヤル:広げて勝つ

冥府エルフは序盤~中盤を「エンシェントエルフ」でしのぎ、後半に「冥府への道」「リノセウス」でフィニッシュするデッキである。これに対応するには序盤~中盤で盤面を取り、冥府の発動前に倒すことが必要だ。それを備えていたのがミッドレンジロイヤルである。

ミッドレンジロイヤルは「歴戦のランサー」「ノービストルーパー」「フェンサー」といった低コストで優秀&フェイスを詰めることによって相手にプレッシャーをかけれる優秀なフォロワーがおり、4ターン目には盤面を展開できる「フローラルフェンサー」で圧倒する展開力がポイントである。さらに、5ターン目になると巨大なフォロワーになる「ロイヤルセイバー・オーレリア」も強かった。ロイヤルは展開と同時に巨大フォロワー展開もできたのである。

そのフォロワーを倒しても、出てくるのは「海底都市王・乙姫」。盤面一杯まで展開し、その後「セージコマンダー」を出されるとさすがに冥府エルフもなすすべがない(冥府への道が発動すればできるが、、)。

このように、ミッドレンジロイヤルは序盤から展開し相手の処理が追い付かなくなったときに乙姫からのさらなる展開、セージコマンダーの強化でフィニッシュをかけるデッキであり、事故率も低くトップデッキとして君臨したのである。

ネクロ:アグロが主流

スタンダード期で多かったネクロは「アグロネクロ」であろう。有名なのがケルベロスの「ココ」「ミミ」と「ファントムハウル」に進化権を使う「11点パンチ」である。「モルディカイ」も強いのだが、やはりエルフやロイヤルに対応することを考えると8ターン目に出すというのは遅い。よって、冥府やロイヤルの展開がされる前に決着を決めるアグロ系が主流であった。

しかしトップデッキになれなかった理由としては前述の「エンシェントエルフ」や「オーレリア」といった巨大な守護フォロワーの突破手段がないまたはあってもその後のターンに盤面を取り返されてしまうことが原因であろう。A,B,Cとランク付けするのであればネクロはBランクとしてスタンダード期を過ごすことになる

ヴァンパイア:フィニッシャー不足

コントロールヴァンパイアがメインであった。盤面と守護を展開できる「クイーンヴァンパイア」を主軸として、ドローができる「漆黒の契約」、盤面をリセットできる「黙示録」が使われた。とはいえ、"粘ったところでフィニッシャーがいない"という欠点があり、人気はなかった。サタンなどをフィニッシャーにしていた人もいた。

アグロデッキもあったが、11点パンチなどをできるネクロと比較すると勝っている点がなく、こちらも使われることはあまりなかった。Cランクだったと記憶している。

ウィッチ:アグロに押し切られる

この頃から土カードはあったが、全く使われなかった。ノノなどは強力だったが、土カードが盤面にないことも多く、シナジーはあるけれど活用できない状況のため、ウィッチと言えば超越である。

超越ウィッチについては、追加カードを見ればわかるとおり"スタンダード期でほぼ完成"している。超越の発動も冥府と同じく8ターン目あたりであり、除去カードも豊富ではあるがロイヤルの展開を連続でされると追いつかないこともあり、トップとまではいかなかった。Bランク。

ビショップ:サタンへの崇拝

カウントダウン付きのアミュレットがこのクラスの特徴だが、出すときに隙ができ、盤面に即座に干渉できるわけではないためカウントダウンビショップははやらなかった。また、鉄槌の僧侶やテミスの審判などで時間稼ぎをしても結局フィニッシャー不足に悩まされることになるが、救世主がサタンであった。

「守護の陽光」というアミュレットを使用し、守護フォロワーを展開し10ターン目まで粘る。そしてサタンを出し満を期して相手を倒す「コントロールビショップ」が一番使用されていた(ビショップがサタンを使うという皮肉w)。

しかし、10ターンは冥府と超越相手には遅いし、守護の陽光が引けないとロイヤルに押し切られるというパワー不足のため、結局はBランクで落ち着いた(10ターン目までにサタンが引けないこともよくあった)。

ドラゴン:安定に欠ける

ランプドラゴンが主流であった。「アイラ」「竜の託宣」でPPをブーストし、「騎竜兵」で大型のコストをダウンさせてファッティを通常より数ターン早くプレイするデッキである。とくにレジェンドの「ファフニール」はロイヤルの乙姫のオトモを一掃でき、価値が高かった(なお今は...)

しかし、出せても8ターン目前後であることやランプをしても当時は巨大なフォロワーも限られており、除去カードも少ないこと、さらには高コストのフォロワーを他クラスよりも多く入れるため手札事故が起こりやすく、人気はなかった。そのため、Cランクという不遇を味わうことになる。

スタンダード期総評

スタンダード期に関してはクラスの特性を活かしきれたデッキがトップデッキとなった。手札補充やコンボで中型フォロワーや冥府への道を発動させる「冥府エルフ」、展開力とバフで圧倒する「ミッドレンジロイヤル」がAランクとなった。一方で序盤から積極的にダメージを与えて中盤にバーンダメージをもつ「アグロネクロ」と強いコントロール力をもち終盤にサタンで絶望を与える「コントロールビショップ」、コントロールデッキに圧倒的な強さを誇る「超越ウィッチ」がBランク。フィニッシャーが見当たらない「コントロールヴァンパイア」と安定性が欠ける「ランプドラゴン」はCランクである。

そして、「第2弾拡張パック・ダークネスエボルヴ」がリリースされるわけである。

エボルヴ期:冥府エルフ・ミッドレンジロイヤル・超越ウィッチ

 2016年9月にリリースされた、「ダークネス・エボルヴ」はまさにプレイヤーが待ち望んでいたシャドウバース初の拡張パックであった。しかし、リリースされたカードと環境はプレイヤーの期待を大きく裏切ることになる....。

冥府エルフ:勝ち筋を増やす

「収穫祭」と「根源への回帰」がナーフされたエルフだが、なんと冥府エルフはスタンダード期に続いてエボルヴでもAランクに躍り出ることになる。リリース直後こそ、「クリスタルプリンセス・ティア」や「エルフナイト・シンシア」をデッキに入れた"テンポエルフ(ミッドレンジエルフ)"が流行したが、その後テンポと冥府を合わせた"ハイブリッドエルフ"が生まれた。

キーカードとなっていたのは「エンシェントエルフ」はもちろん、「エルフプリンセス・メイジ」の進化からの0コストフェアリーを展開して「5ターンティア」は強烈だった。ドローソースにも「翅の輝き」が追加されたことによって安定感を増した。

 「エンシェントエルフ」「ティア」などの強いフォロワーでフィニッシュなのか「冥府への道」を狙うのか、「リノセウス」でフィニッシュか、どの戦法を取るかは相手からは判断が難しく、引き続きトップデッキとして君臨することになる。

 また同じデッキがトップ、しかも「冥府への道」というニュートラルで墓場30枚を溜めようと行動するため、相手をすると"カードゲーム"をしている感覚がないことはプレイヤーを多いに失望させた。

ミッドレンジロイヤル:いつものロイヤル

エボルヴで追加されたレジェンドは「アレキサンダー」というパッとしないカードだったためか、環境初期~中期では大幅に数を減らした。しかし、環境が落ち着いてくるとその安定性から見直されることになり、後期にはスタンダード期と同様Aクラスに定着することになる。しかも、スタンダード期のデッキそのままでも強かった。ロイヤルおそるべし。

超越ウィッチ:レヴィの加入と強化

前環境ではBランクだったウィッチがAランクに上がった大きな理由としては、序盤・中盤を支えることができるレヴィの影響が大きい。2コストという低コストに1コストスペルの紅蓮の魔術によって一段と強化された。

なお、土ウィッチは「パメラ」「破砕の禁呪」「くず鉄の錬成」「炎熱の術式」など多くのカードが追加されたが、やはり安定性が欠けてあまり使われることはなかった。

ビショップ:疾走・エイラ・セラフの誕生

エクストラWINのカード「セラフ」が追加される。もともとコントロール色が強いビショップがさらに強化されたかたちだ。パワーカードの「獣姫の呼び声」や回復とドローができる「レディアンス・エンジェル」が追加されたことも大きい。しかし、冥府や超越相手の場合は、最短でも9ターン勝利という遅さがネックとなりBランクにとどまることになる。

「ガルラ」の追加により"疾走ビショップ"が生み出されたのもこの時期である。

回復をメインに戦う"エイラビショップ"も生まれたが、エイラが引けないと強くないという理由もあり、あまりはやらなかった。

ヴァンパイア:フィニッシャー不足(2回目)

強力な効果を持つ「メアリー」が発表されたときは盛り上がったが、環境が落ち着いてくるとヴァンパイアの数は少なかった。「メアリー」が想定ほど活躍しなかった理由としては、コンボとして使うと7~8ターン目になるため、5ターン目に出しても実質バニラであること、後半になってもコンボパーツがそろわないと効果を発揮できないことがあげられる。

 ドラゴン:確定除去キツすぎ

ドラゴンはこの環境、非常に厳しくなる。大きな理由は「死の舞踏」の追加である。このせいで、頑張ってPPブーストして盤面取られてやっとの思いで高コストフォロワーを出しても、これ1枚で除去&顔面に2ダメージをくらい、そのまま押し切られてしまうことになってしまう。

ネクロマンサー:不遇の時代

目立った強化はされず、セラフ/疾走ビショップが数を増やしたことにより使用率は減少。アグロネクロはかろうじて生きていたが...。とはいえ、このパックのときに「ボーンキマイラ」「スパルトイソルジャー」といった有用な3コストフォロワーが追加されることになる。「蠅の王」はパワーこそ高いがランダム性や次ターンまで生き残れないこともあり、採用は少なかった。

エボルヴ期総評

待ち望んだ新パックは、結局は既存のデッキタイプの強化で終わった。とくに冥府と超越がAランクであったこと、そして「死の舞踏」というカードが生まれたことは多くのプレイヤーにストレスを与えた。筆者はネクロが好きだが、この時期は不遇だった。

この次からのパックは、ユーザーのヘイトを集める新たなカードがリリースされることになるが、それを生み出したのは「冥府」「死の舞踏」と言われるようになることは、まだ知る由もない。

バハムート期:ドロシーウィッチとOTKエルフ

ドロシーウィッチ:圧倒的展開

ROBがリリースされた直後、環境を圧巻したのはドロシーウィッチであった。

「ドロシー」はそれまで超越または土ウィッチの2つの軸に新しいスペルブーストフォロワーのコンセプトを加えた。「クレイグ」「クラーク」「ゲイザー」なども加わり、5~6ターン目で盤面一杯にフォロワーを並べて圧倒するデッキが作成された。

それだけでも脅威なのだが、このデッキを支えたのは「レヴィ」「ルーンの貫き」である。いまでこそルーンはナーフされているが、当時は自分のフォロワーが進化すれば1コスで使えたため、4ターン目レヴィ進化→紅蓮&貫きで相手の盤面を一掃できたのは脅威だった。

弱点と言えばドロシーが引けないことや、ドロシーを使ったとしてもスペルブーストフォロワーが来ないこと、そして展開したとしても全体除去で息切れしてしまうことだが、5~6ターン目には全体除去が使用できるクラスは限られていたこともあり対策は難しかったといえる。環境後期ではルーンの貫きがナーフされたが、それでもAクラスに君臨することとなる。

OTKエルフ:リノを投げるぞ!

OTKエルフをAランクに押し上げたのは「ミニゴブリンメイジ」「歴戦の傭兵・フィーナ」の存在である。ナーフ前のミニゴブリンメイジは、確定で2コストフォロワーを手札に持ってこれた。これを利用してデッキ内の2コストフォロワーを「リノセウス」だけにしておいて8ターンを目途に相手のライフ20点を削りきるデッキである。

序盤~中盤をメイや除去カード、エンシェントエルフでしのぎつつ、終盤フィニッシュを決める戦法はミニゴブやフィーナの枚数を考えると安定的に勝てていた。ドロシーウィッチが1位とするなら、OTKエルフは2位に位置していた。

その後、ウィッチの「ルーンの貫き」がナーフされると同時に「ミニゴブリンメイジ」もナーフされてしまう。1位のデッキをナーフすると、相対的に2位のデッキが強くなりすぎるからである。

結果としてOTKエルフは2コスト以下のフォロワーをリノセウスとメイの2種類デッキやリノセウスだけのデッキなどに変わっていく(いや、そこはリノセウスをナーフしろよ)。

 このデッキの台頭により、冥府エルフは大きく数を減らすことになった。

ミッドレンジロイヤル:いつものロイヤル(2回目)

ロイヤルはこのパックでいまでも中心フォロワーである「レヴィオンセイバー・アルベール」を獲得した。環境の前半こそはドロシーウィッチやOTKエルフの影に隠れていたが、後半になると台頭してきた。しかもレシピは"いままでのミッドレンジロイヤルにアルベールを入れただけ"である(考案者の名前を取って"パンダロイヤル"とも言われた、とはいえGamewithもサイトにデッキを載せていたが)。恐るべし。

このこともあり、"結局環境が落ち着くとロイヤルが台頭する"、"ロイヤルは全環境でトップ前線にいる"と言われるようになる。とはいえ、ROB環境は全体を通してドロシーウィッチとOTKエルフが活躍していたため、ロイヤルはBランク。

ネクロマンサー:ラストワードネクロ

ネクロはラストワード軸が強化された。「闇の従者」「よろめく不死者」「ネクロアサシン」を中心してフィニッシャーに「モルディカイ」を用意する"ラストワードネクロ"や、新レジェンドの「ネフティス」を軸としたデッキも考案された。とくに、7コストの「カムラ」と8コストの「モルディカイ」を確定で場に出す"ネフティスネクロ"はドラゴンに対して無類の強さを誇った。

新コンセプトが生まれたネクロだったが、ドロシーウィッチのスピードや守護の少なさによってOTKエルフに狩られたため、Bランクに甘んじることになる。

そして、ここでドラゴンをイジメたことがのちに"あのカード"を生み出すことになるとは、まだ誰も知らない...。

ビショップ:ドロシーに勝てるが...

ビショップはこの環境、「エンシェント・レオスピリット」というAOE効果を持つフォロワーが追加されたため、ドロシーウィッチといった盤面に広く展開するフォロワーに多少の有利が付いた。しかし、テミスやレオスピが手札にないことがあったり、相変わらずフィニッシャーがいないということでBランクという位置はキープしつつも頭一つ抜けることはなかった。

ヴァンパイア:アグロ&アグロ

ヴァンプは"アグロヴァンパイア"が強烈な強さを誇っていた。「ユリウス」「ヴァイト」といった低コストで有能なフォロワーが追加されたことにより、一気に数を増やした。しかし、序盤でウィッチにフォロワーを並べられるとパワー勝負に負けてしまい、Aランクとまではいかなかった。

コントロールヴァンパイアは相変わらずフィニッシャー不足であまり使われなかった。

ドラゴン:特性活かせず

ドラゴンにとってはまさに不遇の時代であった。「バハムート」はPP加速できるドラゴンと相性がいいのは間違いないのだが、終盤はOTKエルフに弱いこと、そして何よりネクロマンサーとの相性が最悪だった。巨大フォロワーを並べてもカムラの餌食なり、モルディカイを2体出されるとバハムートはどうしようもない。「死の舞踏」も幅広いデッキで採用されていたため、クラスのメリットがまるで活かされなかったといえる。この環境唯一のCランクか。

バハムート期総評

このパックで追加された象徴的なフォロワーは「バハムート」である。場に出した時すべてを破壊するため、「冥府への道」や「エイラの祈祷」への対抗方法として使用された。このフォロワーこそが、ヘイトが溜まっていた冥府やエイラへの運営なりの回答だったのかもしれない。。しかしその後はご存知の通りバハムートはアミュレット軸否定のカード(そして実質ドラゴンのレジェンド)として一部プレイヤーからは批判の声が出るようになる(バハムート期ではそれほど見なかったが)。

テーマは「破壊」ということだが、まさにこのパックからシャドウバースの環境は破壊していったといえよう。

さて、スタンダード、エボルヴ、バハムートと、3つのシーズンを通してAランクに1回でも位置していたのはエルフ、ロイヤル、ウィッチである。ビショップは毎回Bランク、ネクロとドラゴンとヴァンパイアはB~Cランクといったところ。

次回の神々の騒嵐、そしてワンダーランド・ドリームズではネクロ・ドラゴンとヴァンパイアが大幅に強化されることになるが、これも"前の期で不遇だったリーダーを大幅に強化してAランクにする、いわゆる当番制ではないか”と言われるようになる。

神々の騒嵐期:ネクロ&ドラゴンバース

TOGのコンセプトは"戦いは神の次元へ"であるが、その通り強力なカードが多数追加された。この環境で暴れまわったのは、これまで不遇だったネクロマンサーとドラゴンである。しかし、強化されすぎたのである。

ヘクターミッドレンジネクロ:ヘクタァー!

追加されたカードで象徴的なのは「魔将軍ヘクター」「骨の貴公子(当時3コス)」「不死の大王」である。

とくに1コス→2コス→骨の貴公子の動きは強烈で、それだけで相手が盤面を取り返せず圧倒できるほどである。 また、先行3ターン目に「ボーンキマイラ」、4ターン目に「シャドウリーパー(当時2コス)」を2体並べる動きも鬼強かった。頑張って盤面を取り返しても、さらに「死の祝福」「エンハンスのゾンビパーティ」「不死の大王」で盤面を広げられ、そこからヘクターのムーヴは圧倒的である。骨の貴公子のおかげでネクロマンスが使用しやすくなったのも大きい。

環境が始まってすぐ、ネクロはAランクに躍り出ることとなる。

その後、環境を荒らしすぎたため骨の貴公子は4コストに、シャドウリーパーはTOG末期に3コストにナーフされることとなる(次パックのWLDではヘクターもナーフされる)。

ランプドラゴン:圧倒的レジェンドの追加

追加されたレジェンド「水竜神の巫女」「ウロボロス」はどちらも強力である。巫女は中盤のPPブーストの隙をなくし、さらに回復までセットのまさに"ぶっ壊れ"である。ウロボロスも、いまでこそ回復効果はなくなったが当時は手札に戻るときは3回復という効果があった。そのため、"ロイヤルはウロボロスを出されたら負け"とまで言われた。

中盤は巫女でしのぎ、後半は「ウロボロス」または「サハクィエル」と「風読みの少年・ゼル(当時2コス)」の"11点パンチ"や"13点パンチ"でフィニッシュする戦略は大きなヘイトを集めた。

さらに、忘れてはいけないのが「ライトニングブラスト」である。当時は10コストエンハンスで"相手の盤面のカード全て消滅"という効果であった。これは、アミュレット軸やPPブーストの隙をついて盤面を広げた相手に対して"はい、ライブラww"でそれまでの努力を水の泡に流してしまったため、一番嫌われたカードではないだろうか。

ちなみに、ライトニングブラストのエンハンス削除の時は"ドラゴン強化する目的で実装しましたが"と運営は述べており、おそらく前環境のネフティスへの対策として実装されたと考えられる。が、それにしてもひどいだろ。

ドラネクバースの時代

・序盤から展開し、ヘクターでフィニッシュするミッドレンジネクロ

・PPブーストして、後半大型フォロワーを出して圧倒するドラゴン

この2つを中心として環境は回ることとなる。ネクロを意識してデッキに低コスト除去スペルを入れれば大型スタッツのドラゴンに駆られ、後半を意識すると序盤ネクロに押し切られるため、他クラスは苦い思いをすることになる。実際、大会を見てもネクロとドラゴンは必ずと言っていいほど採用されていた。

いっぽうで、ドラゴンvsネクロというと、押し切ればネクロの勝ち、しのぎ切ればドラゴンの勝ちであった。筆者の感覚でいうと、安定性が勝るネクロの方が若干有利だった気がする(実際、ネクロでBPを盛って、最後はドラゴンでマスターになったw)。

ヴァンパイア:瞬間火力あり、だが安定性は...

ネクロとドラゴンに隠れてはいるが、ヴァンパイアも強化されたクラスである。とくに「ベルフェゴール」「ブラッドムーン」は"復讐ヴァンパイア"を確立させた。「糸蜘蛛の悪魔」や「カオスシップ」といったフォロワーも追加されたことも大きい。とはいえ、復讐に入れなければ弱いため、「ソウルディーラー」が見直されたこともあった(しかし、HPを削るリスクが高いため採用されないケースもあった)。

瞬間的な火力が非常に高く、ブン回ると手が付けられない。安定性はネクロとドラゴンには及ばないものの、"復讐ヴァンパイア"はBランクに位置することとなる。

ビショップ:ハゲを使ってもネクロに押し切られる

ネクロとドラゴンに対して押し切って勝つのがヴァンパイアであれば、しのぎ切って勝つのがビショップだ。ネクロには「鉄槌の僧侶」をはじめとした消滅や「エンシェントレオスピリット」のAOEで、ドラゴンのフォロワーには「神魔裁判所」などの除去で耐えた後にイージスを出してフィニッシュするという作戦だ。

しかし、実際はハゲを出してもネクロに押し切られ、イージス出す前にドラゴンにPPブーストされて除去カードが来ないで負けることが多かった。ドラネク、おそるべし。

ウィッチ:アグロ土の強化、しかし使われず

「天輪のゴーレム」「幻惑の奇術師」といったアグロ系土ウィッチが強化された。ドロシーウィッチは強いのだが、AOEを持つドラゴンやビショップがA~Bランクにいたこともあり、ランクマッチでは数を減らした。土ウィッチも、ドラゴン相手だと回復や盤面破壊をされることもあり使用者はなかなか増えなかった。

ロイヤル:デッキはあまり変わらず、使用者減

「ルミナスメイジ」が追加された。正直、かなりぶっ壊れだと思うがロイヤル自体の試用者数が少ないこともあり、あまり目立たなかった印象である。ミッドレンジロイヤルのデッキレシピはそれほど大きく変わっていないが、ネクロの展開力とドラゴンの効果力についていけなかった(デッキ自体は強いのだが...)。ネクロ、ドラゴン両方に対して先行を取り、フェイスを詰めていく戦い方が主流である。

エルフ:不遇の時代

いままでの環境でトップクラスに君臨していたエルフだが、TOG期は一転してCランクに位置することになる。

OTKエルフのコンセプト自体に変化はないが、他クラスと同様序盤にネクロに盤面を取られたり、ドラゴンの回復でOTK圏内までもっていけないなど苦戦した。ロイヤルと同じくいままでの環境で上位にいたが、ついにCランクになってしまう。

TOG期総評:続くインフレ

この弾のパックは、まさにインフレを促進させたといえる。それはドラネクバースを見れば明らかだ。とくに、ドラゴンの躍進で「バハムート」が頻繁に使われるようになった。ここから、"メンコバース"という言葉も出てくる。盤面を相手にとられたらバハムート→相手も対抗するためにバハムート→さらにバハムート...といったメンコのようにカードを投げることからそう言われた(ヘクターVer.やウロボロスVer.もあったw)。

さて、このようなパワーカードが環境を荒らしたため、ユーザーの中には不満を思う声が出てくる。その中でもよくあったのが"あるカード対策のために、さらなるパワーカードを追加する運営のバランス調整方法は問題だ"である。これはどういった意味なのだろうか。

それまでの環境でヘイトを溜めていたのは「冥府への道」「エイラの祈祷」「死の舞踏」といったカードである。運営はこのカードを調整という選択肢よりも、"これらのカードを超えたカード"をつくることで調整を図ろうとしたといわれる。

たとえば、「死の舞踏」は巨大フォロワーを破壊する効果を持つが、「ウロボロス」であれば破壊されても体力回復(当時)+手札に戻りロスはない。こういった調整が結果的にはインフレを大きく促進させ、TOG期であらわになったといえる(復讐状態ではなくても復讐になれる「ブラッドムーン」もその一環であろう)。

しかし、それ以上のインフレを次のパック「ワンダーランド・ドリームズ」で見ることになる....。

ワンダーランド期:123アリス!!ww

WLDのコンセプトはニュートラル軸の強化であるが、これは当初からユーザーを不安にさせた。ニュートラルは各クラスの"補助"となるべきで、"主役"にはなるべきではないからである。もし各クラスのデッキにニュートラルが入ると、クラスの個性が失われて"リーダーが違うだけで使用しているデッキは同じで多様性がない"リスクが存在する。

そして実際にどうなったかというと、、まさにその通りになってしまった...。

ニュートラルヴァンパイア:理不尽なOTK

環境初期にトップに躍り出たのがニュートラルヴァンプである。当番制よろしく、WLD期でヴァンプは強力なカードが多数追加された。

  • トーヴ
  • 豪拳の用心棒
  • 緋色の剣士
  • 昏き底より出でる者

すべてぶっ壊れである(エメラダもぶっ壊れだが、ナーフを逃れたw)。当時のデッキは低コスト体にニュートラルフォロワーと「トーヴ(当時3/3)」+「バフォメット(当時エンハンス効果あり)」、高コスト帯に上記のフォロワーらを用意することによって"序盤で盤面を取り、エンハンスバフォメットで昏きを着地させる。その後エメラダやアルカードと昏きを合わせてOTKフィニッシュ」という戦略が一般的であった。

この戦略上、当たり前だが先行有利であったが、先行/後攻はプレイヤーの意思では決めれないため"コイントス","じゃんけん"と揶揄されたコイントスまたはじゃんけんで先行取れば勝ち!wという意味)。

他クラスと比較しても2コストの時点で3/3のステータス(当時)を持つ「トーヴ」、複数処理が可能な用心棒や緋色、これらのパワーカードにより環境はニュートラルヴァンプ一色になる。

この強さから、当時はAランクどころかSランクといってもいいレベルであった。また、その理不尽さに"いままでで最悪の環境"といわしめた。

その後、上記のフォロワーはナーフされ、Bランクに落ち着くことになる。また後述の通り、ヴァンパイアナーフ後は"ニュートラルビショップ"の台頭もあり、"コントロールヴァンパイア"も数を増やすことになる。

ニュートラルビショップ:圧倒的な盤面展開

WLD期中盤、ヴァンパイアがナーフされた後に数を増やしたのがニュートラルビショップである。

ニュートラルヴァンプの陰に隠れていたが、こちらもぶっ壊れであった。"123アリス!ww"はもちろん、5ターン目(最速4ターン目)で「黄金卿の獅子」→「獣姫またはお茶会を割る」という動きは以前のドロシー以上の展開力を見せた。

その展開力から、後攻であっても盤面を取り返すことができ、回れば圧倒的強さを誇ることになる。WLD中盤はB、後期はAランクである。

ニュートラルウィッチ:盤面除去+疾走のプリス

「オズの大魔女」「ルナルの魔術師・プリス」「スイーツウィッチ」が強い。ニュートラルで展開していき、手札が少なくなったところでオズ→スペルは強烈である。また、プリスの進化後のスタッツは4/7のため、なかなか倒せない。ファンファーレで除去効果があるのも強力だろう。

WLD期前半も、「変異の雷撃」で昏き対策できることから使用されていたが、ヴァンプのナーフに伴いさらに存在感を増した。Aランク。

ニュートラルロイヤル:トランプが強い

WLDリリース直後は大流行したNロイヤル、しかしそれは始めの1週間だけでそのあと数を大きく減らした。これもNヴァンパイアと比較すると序盤の盤面を取れなかったからである。

しかしこちらもヴァンパイアナーフ後に躍進する。3ターンシンデレラはやはり強いし、連続トランプは犯罪である。さらにそのあとにアリスやフェリアが来ると手が付けられない。Nビショップと同じく、ヴァンパイアに抑え込まれていただけであり、環境後期はAランクとしてランクマッチを荒らすことになる。

ミッドレンジネクロ:安定のヘクター

ヘクターはやはり強い。WLDではネクロはニュートラル軸をあまり見かけていない。相性がいいカードがあまりないからだろう。WLD期でも、前期と同様のコンセプトのデッキが使用されることになる。

変わったことと言えば、「デーモンイーター」の追加でドローが容易になり、安定性が増したことである。いっぽうで盤面が弱くなるため、ミッドレンジの場合は序盤~中盤をどうしのぐかが重要だ。さすがにTOG期と比較するとヘクターのナーフもありAランクとはいかないが、それでも安定性からBランク上位に食い込むことになる。

 ランプドラゴン:N軸の速攻には厳しいか

ドラゴンは低コストはPPブーストのカードに割くため、ニュートラル軸のデッキ構成ではなくいままでのランプ軸としてドラゴンは環境に挑むことになる。

しかし、N軸で強化されるカードは体力が3になることが多く、「サラマンダーブレス」

 では対処できない。よって、ドラゴンはこの環境では苦しい立ち位置になる。よってBランク下位。

エルフ:N軸OTK

2期連続Cランクとなったエルフ。「鏡の世界」からの「ビューティ&ビースト」「エルフの双撃」は強いが、決まらない場合が多く、かつ序盤~中盤に盤面を取れずそのまま押し切られることが多い。Nビショの台頭で守護が立ちやすかったり、Nウィッチの進化プリスを倒せない大型フォロワー不足もあり、今シーズンは未活躍に終わった。

ワンダーランド期総評:インフレと先行ゲーの極み

WLD期では多くのパワーカードがナーフされたが、その被害は甚大である。まず、「バフォメット」は圧倒的昏きの被害者だ。このナーフのせいで6ターンサーペントやOTKアザゼルといったデッキコンセプトがなくなってしまった。昏きというカードをデザインしたことにより、ロマンデッキがなくなってしまったのは大きな被害である。

 

さらに、アリスやフェリアもセットでナーフするのではなく「ゴブリンリーダー」を対象としたり、「水竜神の巫女」がナーフを逃れている。インフレさせておいて、本来真っ先にナーフするべき対象ではなく他カードをナーフすることでごまかそうとしていることは、やはり残念である。

 

結局、WLD期は"どれだけ相手に理不尽ムーヴを押し付けることができるか"の環境だったと思う。深く考えず、123アリスができたら勝ちだし、4・5ターン目獅子ができたら勝ちだ。一刻も早く、カードゲームができる環境にしてもらうことを願う。

環境のまとめ

いままでの環境は決して褒められたものではなかった。冥府や超越が流行り、それらを乗り越えるためにインフレを起こし、環境を取るリーダーは当番制。ニュートラル軸の環境は先行有利ときた。「メンコ・コイントス」と言われても仕方がない。

しかし、それでもこのゲームは面白いなあと思う。とくにRAGEなどの大会を開けるゲームが日本にどれだけあるだろうか。間違いなく、シャドウバースは日本屈指の人気ゲームだと思う。

また、9月28日には第6弾パック「星神の伝説」が追加される。見たところ、いままでよりはインフレを抑えてきているようだ。とはいえ、アリス・バハムート・超越・巫女などがナーフされない限り、適正化には進まないだろう。どう対応するか見物である。

冬にはなんと、世界大会も開かれるらしい。世界的ゲームとなり、e-Sportsで活躍するプレイヤーたちを見れることはいいことだ。しかし何度も言うように、そうするのであればゲームバランスの調整は避けて通れない。どれだけ盤面有利を保っても、1枚でデメリットなしの盤面破壊をされたり、123アリスを押し付けるゲームだと、寿命を短くしてしまう。

シャドウバースが好きだからこそ、バランス調整はしっかりとしてほしい。これからのシャドウバースに期待だ。

第6弾の環境レポートはまた3か月後に。